学生の時分に沖縄までバイクで行くという旅をしたことがある。
東京から福岡までが下道で約1,000km、福岡からフェリーで沖縄本島までが同じく1,000km。沖縄が本島からこんなに離れているとは知らなかった。1週間かけて走った距離は、フェリーで2泊3日の距離になり、沖縄に着くと九州よりも台湾の方が近くにあるという位置関係にも驚かされた。
本島のどこかのカフェのテラスに座っていると、店主であろうジャック・ブラックのような恰幅の良い、顔をヒゲでおおった白人男性が扉を開けて表に出てきて “Goddamn Typhoon is coming here!!!” と叫んで、この後に備えて支度を始めだした。そのフレーズがアメリカっぽくかっこよく響いて心に残った。
台風はガッデムにも本当に本島にやって来て、その強さは東京での台風とは比べものにならないもので、ヤシの木の頭が真横に傾いでいた。