72x62cm Canvas, Oil, Acrylic, Spray
クラブイベントでTAKEO KIKUCHIか何かのデザイナーをやっているという人から、文京区のクロッキー会を知って、通うようになった。
美大で絵画を勉強したわけではないので、良くは競争に加わらずに済んだが、悪くは練習量が足りない。絵を始めてから、多くの時間を費やしたつもりだが、やみくもに描いていただけので、上手になる訓練ができておらず、それは今も抱えている問題だから、練習によって上手になっていかなければならないのだが。
生の人間の裸を目の前にして、20人くらいの人の中で描く。こういう体験がはじめてで、心地よかった。
5分とか10分でクロッキーをしていると、たまにススっとペンを走らせたものが、すごくきれいに描ける場合があった。何かを見ながら描くことの楽しさを覚え、これまで頭の中を描くことこそが最も優れていると思っていた考えがなくなった。詳細を掴むためには見なければ、知らなければ描けるわけもない。
通いはじめて何回目かに、あの日クラブであった人と会場で偶然会った。
「あー、本気だったんだ」
本気だよ、馬鹿野郎。