Mural
エジプトのダハブでの壁画。
ダハブではAUSKI CAMPというオーストラリア風を装った宿を選んだ。
宿の看板作成と、もう一つは自由に使って良いという巨大な壁を与えられた。
この壁が一番大きなものになったと思う。
この壁画は、宿やレストランの壁に描かせてもらうかわりに、宿代や食事代をただにしてもらうということで交渉をした。
こちらにしてみれば絵を描かせてもらったうえに、寝床を与えられ空腹も満たされるのだから、良いこと尽くめのチャレンジであった。
もちろん交渉がうまくいかないこともあったが、素性の知れない東洋人からの話を聞いてくれた皆に改めて感謝の想いが湧き上がる。
そして、シリアやイエメンでの内戦やフランスによって空爆されたマリなどでは、描かせてもらって絵がなくなっているだろうことが想像される。
あの時、ああして過ごした場所の人たちの、いつもの生活がなくなっていることを残念に思う。
同時に、今こうして自分が生きていることの偶然と、いつ死んでもおかしくないという事実を改めて胸にして、今をおおいに楽しまなければならない。