授乳

60x45cm Cork Board, Acrylic

整ったものでとかいうのでなく、その辺にあるものでも何でも使って作品づくりをするのがかっこいいので、落ちていたコルクボードの上に描いたのだが、当時付き合いのあったギャラリーの館長から、そのコルクボードの上部が欠けているのを指されて、「そろそろこういうところを気をつけたほうがいいよ」みたいなことを言われた。確かにどこかの誰かが買ってくれることを考えると、それを飾ってもらえるのならばなおさらきれいな状態にしておいたほうがよい、というのは一理あると納得した。

最初に拾ってくれた編集社の社長は「俺」と言ったぼくに、「後藤くんよ、俺ってのは使わないほうがいいよ。立場や場面を考えた方がいい」みたいなことを言われた。この時まだぼくは20代のはじめで、「ふんっ」と思ったし、同じ社長に「デザインには全て理由があるんだよ」と言われて、「へんっ。センスでしょうがよ」というような感情を持った。

年の功というのはひとつある。