77の自画像

2008.12.22 – 2009.03.08

2008年の末、体調が悪かった。近くの病院へ行って見てもらったが、ただのカゼでしょう、ということで薬だけをもらって大事をとっていたが、1週間たっても2週たっても回復へ向かっているのが感じられず、歩くのもままならなくなると、その頃にはとんでもない量の痰を1日に何度も出していた。フラフラになってもう一度別の病院へ行くと、肺結核との診断で、即入院。それからは3ヶ月病院の隔離病棟へやられた。

モディリアーニが肺結核を患い、酒とドラッグを続けて死んだ。肺結核というのは進行が進むと、体の怠さがひどく動くのが面倒になる。頭もはっきりしなくなってくるので、薬で治る今なら治療を選ぶが、回復が見込めない場合の気持ちと体の辛さは想像も及ばない。

毎日1枚の自画像を描いた。
後にクロッキーをやってみて分かったが、描く絵1枚1枚全てが納得のいくものにならなくたって構わなくて、たくさん手を動かしてその中に1枚光るものが出れば、それでよい、という描き方もある。特に同じ対象を何度も描くと手も目も慣れてくるので、余裕が生まれ、より洗練されていく。

結核で入院した3ヶ月は、良い練習の時間となったし、2年の間旅を終えて、社会復帰するための休息の時間にもなった。

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